ど真ん中なのに腰が引ける驚異のスライダー

90年代前半にかけて主に活躍したヤクルトスワローズの伊藤智仁投手がいます。彼は入団一年目から先発ローテーションに入り、チームを牽引する活躍を見せましたが、怪我が多くて満足行くシーズンを送れたことがほとんどありませんでした。その後抑えに転向するのですが、そのときに巨人のある選手に投げたスライダーがとんでもない曲がりを見せたのです。 元々スライダーが武器で、球速も凄まじく、曲がりも鋭いため、それを決め球に討ち取っていくスタイルでした。ストレートも150キロ以上出ますし、バッターから見たらどっちがきても打つのが難しいピッチャーだったのです。その伊藤智仁投手が投げたスライダーがある巨人の選手を唸らせ、キャッチャーミットに収まったときにはほぼ真ん中に近いくらいでしたが、バッターは腰を引いて見送ってしまうのです。 恐らくデットボールになりそうだと感じたのでしょう。ただ、ボールの軌道はそこから急激に曲がり、キャッチャーの構えたところにすっと収まる。その軌道がとても美しくて、活躍した時期は短いものの、ファンに鮮烈な印象を与えたことは間違いないでしょう。あんなスライダーを投げられるピッチャーはそうは出てこないでしょうから。